放送一つしない無意味極まるコミュ
ようやく今日一日の仕事を終え、ふぅ・・・と一息つき、テーブルに置かれていた麦茶を飲んだ。こめかみが痛む。微かに舌の奥に鉄さびのような味がする。皮膚の裏に虫が這うような不快感がした。じんわりと視界の端に黄ばんだもやが見える。とても頭が痛い。口の中に砂がわくようだ。手足の先が熱いような冷たいようなひりつく感じがする。部屋が異常に狭く感じる。今すぐ出なければ息がつまりそうだ。全身に脂汗がにじむ。清潔感のあった白い壁も顔のような黄ばんだしみにまみれている。呼び止める声がした気がしたがなんだか壁の向こうの事のようだ。立ち上がると天井がせまる。すでに天井をつきやぶっているような心地なのに天井はまだ上にある。なにもかもおかしい。沼のように沈み込む床を必死に歩き、なんとか外にでた。空も道路もひどく黄ばんでいる。なんだか眼球に腐った卵がかかっているかのような光景だ。ひどく大きな音がする。全身の皮膚が、内臓が揺さぶられ、体が瓦解しそうだ。山のように巨大なトラックがせまってくる。運転席にはなにかがぎゅうぎゅうに詰まっている。黒い帽子をかぶった少女だった。青色の触手がからまっていたり、首が生えるべき場所に手が生えたり、指が異常に伸びたり、足の裏からはらわたを垂れ流したり、とにかくめちゃくちゃだった。だが自分の心だけは初恋のように甘く、とろけそうだった。全身から汁が出る。心臓が体から飛び出そうとするかのごとく暴れまわっている。とてもあたたかい。私は轟音に包まれた。全身の血液が精液に変わり、四方に飛び散った。あとに残ったものは心地よい眠りのみだ。 続きを読む