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    アメリカンドッグ
    2010年06月23日 03:15 更新
    けして高品質とは言えないウインナーは真新しい丸木串に突き刺さり、 ほとんど砂糖抜きのホットケーキに近い生地は少し悪くなった油でもって 均一な黄金色に揚げられていた。 揚がってから誰かが買うまでのあいだ、ハロゲンランプに照らされ じっと待っている。はっきり言うと、油が劣化しているわけだ。 ふつう、油揚げ食品ならば、この状態は品質の低下を意味するのだが、 ことアメリカンドッグ。そう、アメリカンドッグに関しては、これら通常は不都合とされる条件により、衣のサクサク感や生地のモッチリ感 そして何より独特の風味を倍化させ、結果それこそが商品の魅力となるわけだ。 ここで俺は思う。 人生に措いて、たとえ自分が良くない素材であり 劣悪な環境に在ったとしても、以上でいうところの温度環境 つまり「温もり」に相当するものさえあれば、 人はそれをバネにして内側から己の魅力を引き出し その結果をもって、自分に他人を惹き付けさせるための要素としうる。 これはそういう実例なのではないだろうか。 我々がアメリカンドッグに学ぶことは多い。