風評被害発生のメカニズムの特徴をまとめると次のようになる。 （Ⅰ）人々は安全か危険かの判断つかない、人々が不安に思い商品を買わないだろうと、市場関係者・流通業者が想定した時点で、取引拒否・価格下落という経済的被害が成立する。 （Ⅱ）経済的被害、人々は安全か危険かの判断つかない、人々の悪評を政治家・事業関係者、科学者・評論家、市場関係者が考える時点で風評被害が成立する。この時点でいわば人々の心理・消費行動を想像することによる被害である。 （Ⅲ）①経済的被害、②事業関係者・科学者・評論家・市場関係者の認識、③街頭インタビューの人々の悪評などが報道され、社会的に認知された風評被害となる。 （Ⅳ）報道量の増大に伴い、多くの人々が危険視による忌避する消費行動をとる。事業関係者・市場関係者・流通業者の想像上の人々の心理・消費行動が実態に近づき、風評被害が実体化する。（関谷；2003）