この言葉『失敗は成功の母』とよく似ている。初めて聞いた時はそう感じた。 「次に成功すれば、その失敗には価値はあった」という話だと思っていたが、その言葉を紡いだ人物こそが、私を感銘させた。 東海の鬼の異名で知られたプロ棋士、故「花村　元司」である。 その日、何気なくネットサーフィンで偉人の名言を漁っていた当時20そこそこの若輩者だった私は、その花村氏の略歴に驚愕した。 道場での賭け将棋、イカサマ、初の奨励会を経ないプロ棋士編入、最高齢でのA級昇格、死に体になってから座布団を投げつける棋風…聞いているだけで理解できる。この人は、いわゆる日の当たる真っ当な道を歩んではいない。プロ棋士になった後は別として、それ以前は「落伍者」と呼んで差し支えない生き方だ。 ああ、でも分かるよ、そんな人が「人は間違える為に生まれてきた」と嘯く意味が 私は一時期、半分不登校で毎日図書室に通っていた。文庫本ばかり読み漁っていて勉学に励むこともなく、友を失って、そのまま年を重ねて大人になった。 仕方がなかったと自分をどれだけ納得させても、過去は腹を鳴らしながらヒタヒタと後をついてくる。私は何度でも挑戦して失敗を重ねたエジソンではなく、失敗も成功もない「落伍者」だ。積み重なるのは後悔だけだった。 けれど、この人は「間違えることこそが正しい生き方」と言う。きっとそんな後悔の中にも輝く大切なものがあったのだと そして、恐る恐る過去を振り返れば「ニコニコ動画のv〇p店長好きやったなあ…花村さんカッコいいし、ニコニコで将棋検索すっか！^^」等と思ったが最後、ズルズルと10年近くこの蟲毒に囚われ続けるピチピチのアラサーおじさんがネットピエロとして活動するコミュニティです☆