「コミュ、コニュニティ？……何？なんですか！ぼ、僕は、コミュニティなんて知ーらーなーいー！」
ナシューコフは癲狂院の外まで聞こえんばかりの声で叫んだが、その響きは、明確に偽りで、わざとらしかった。
「あなたは今、ご自分の口からコミュニティと仰ったじゃないですか！」フォロワーシカは蔑み、軽蔑を露にした冷たい目でナシューコフを睨んだ。

「コ、コ、コ、ミュニティを、し、し、し知らないだけで、この僕が、罪人だとでもいうのかーーー！！！」

血管が千切れんばかりに絶叫し、ナシューコフはフォロワーシカに飛び掛かり椅子で何度も殴った。
床に倒れたフォロワーシカを跳ねるように踏み付け、さらに意味不明な言葉で怒鳴り続けた。

フォロワーシカは動かなくなった。
黒い血溜りに映ったナシューコフの顔にかつての端正で利発な面影はなく、狂人そのものだった。
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